平成以降のプロレス入場テーマ曲の特徴は、選手向けに作られたオリジナル曲が多いことです。オリジナル曲は洋服で例えるとオーダーメイドみたいなもので、最初から選手の特徴やキャラクターを考えて作るので、選手イメージにぴったり合うという利点があります。また、権利的にも新日本プロレスワールドなどの配信サービスでも使いやすいので、今後は増えていく一方かと思われます。
さて、棚橋弘至選手の入場には2004年から「HIGH ENERGY」というオリジナル曲が使われていました。IWGPの防衛記録を打ち立て、新日本プロレスをV字回復に向かわせた姿とセットで記憶している人も多いでしょう。
現在も棚橋選手はオリジナル曲を愛用しており、「LOVE & ENERGY」という曲で入場しています。作曲した北村陽之介さんによると「格好良さよりも明るさを重視した、誰が聴いてもベビーフェイスだとわかるよう意識して作った」そうで、パンクロック好きの棚橋選手の好みも反映し、上昇していくコード進行が採用されています。
曲自体は2017年にお披露目して以降、棚橋選手の試合やコスチュームも見ながら、少しずつ曲は改良されており、現在は2020年バージョンを使用。こうやって、試合とともに曲をバージョンアップできるのもオリジナル曲の良さなのです。ちなみに、曲中に聞こえる「GO! ACE」の声は棚橋選手自身の声で、タイトルも棚橋選手本人の命名です。
「シンニチイズムミュージックフェス」にも棚橋選手の入場テーマ曲は欠かせません。今回はマーティ・フリードマンが演奏してくださることになりました。マーティは元々、メガデスというメタルバンドのギタリストですから、早弾きをはじめテクニックは申し分なし。ライブでは原曲にはないアレンジも入れてくる可能性大です。
実は2014年に一度、棚橋選手が東京ドームのメインイベントを務めた際に、マーティは一緒に花道を歩きながら「HIGH ENERGY」を生演奏したことがありますので、実に8年ぶりの共演ということになります。しかも、今回は「LOVE& ENERGY」も初めてプレイしてくれますから楽しみは2倍。あのときと同じように花道を歩いてくるのか?それともまた違うパフォーマンスがあるのか?エアギターを得意とする棚橋選手とのセッションにもご注目ください。
