現在主流となっているオリジナルテーマ曲の中で最も人気曲のひとつが、エル・デスペラード選手が使用する「Aguja De Abeja」ではないでしょうか。

この曲に関しては選手本人からの要望を採り入れた形で、サウンドクリエーターの北村陽之介さんが作曲したものです。デスペラード選手からは「アントニオ・バンデラス主演の映画『マスク・オブ・ゾロ』のスパニッシュギターの音色を入場曲仕様に変えてほしい」というリクエストがあったそうです。

その要望通り、イントロからスパニッシュギターの音色が使われていますが、実はロックのコード進行で作られているのでお客さんも乗りやすく、入場に合わせて冒頭から25秒くらいでひとつのストーリーが完結するようになっています。このあたりはオーダーメイドのオリジナルテーマ曲だから出来ること。そういえば、デビュー当時のデスペラード選手は毎回ギターを持って入場していましたよね。

ちなみに、曲が完成した頃は、まだタイトルは付けられておらず、勢いよく対戦相手に突き刺さっていくデスペラード選手の技、トペ・コンヒーロのイメージから「蜂の針」を意味するスペイン語で「Aguja De Abeja」と付けられました。

さて、「シンニチイズムミュージックフェス」では、渡辺香津美さんがこの曲を演奏してくださることになりました。渡辺さんは世界を舞台に演奏するジャズギタリスト。10代の頃からプロで活躍し、1979年にはYMOのワールドツアーに参加してアメリカのオーディエンスからも高い評価を受けました。

どんなジャンルの音楽、ミュージシャンにでも対応できる演奏力は、今回のフェスでも存分に発揮されるのではないでしょうか。スパニッシュギターも頻繁に演奏されているので、デスペラード選手の曲はぴったりで、当日は渡辺さんがどうやって表現してくださるのか楽しみでしかたがありません。

毎回、細やかな仕草でファンの目を惹きつけるデスペラード選手が、生演奏で入場するのは初めてのこと。いつものように開脚リングインを披露してくれるのか、など想像は膨らむばかりですが、僕の個人的希望としては久しぶりにギターを持って入場してもらいたいです。