プロレスの世界には2人で1組のタッグチームがたくさんあります。新日本プロレスでは年末はタッグリーグ戦が行われる事が多く、特に今年は「WORLD TAG LEAGUE」と「SUPER Jr. TAG LEAGUE」という2つのリーグ戦が同時に開催されることとなっています。

さて、1980年代に世界のタッグチームに革命を起こしたのが、アメリカに現れたザ・ロード・ウォリアーズだと言われています。アニマルとホークというマッチョな肉体の持ち主2人がわずか3分程度で相手を仕留めてしまう試合は、それまでのプロレスにはなかったのです。

また、彼らは入場も斬新でした。控室を飛び出してからリングに辿りつくまでほんの数秒。入場テーマ曲もほとんどイントロしか鳴っていない段階でリングインしてしまうので、曲を味わうこともできません。しかし、これがファンにとっては「もっとテーマ曲を聴きたい」という思いに駆られたのです。

そんな彼らの入場テーマ曲とはイギリスのヘヴィメタルバンド、ブラック・サバスの「IRON MAN」。イントロから聞こえる重たいギターとドラムの音は、これぞヘヴィメタルサウンドで、オジー・オズボーンのボーカルも一度聴いたら忘れません。アメリカの試合会場で使われていた曲がそのまま日本でも使われたのも異例でした。

さて、ウォリアーズの2人は既にこの世を去っていますが、今回の「シンニチイズムミュージックフェス」では大槻ケンヂさんの歌でテーマ曲が甦ることになりました。大槻さんは、80年代の終わり頃に筋肉少女帯というロックバンドのボーカリストとしてデビュー。大のプロレスファンであり、実を言うと、僕は何度も仕事でご一緒していまして、その度に濃厚なプロレス談義をしてきました。今回のフェスに大槻さんが参加されることが本当にうれしく思っています。

最近はオケミスというソロプロジェクトでアコースティックギターの弾き語りのライブを積極的にされているものの、原点に帰るようなヘヴィメタルを披露してくれるのも楽しみです。あ、でも、どんなセットで演奏するかはまだ決まってないんですよね。まさかのアコースティックギター一本の弾き語りの「IRON MAN」であっても、それはそれで聴いてみたいです。